普段のビジネスシーンにおいて、名刺をどのように利用していますか?近年では企業や個人で「デジタル名刺」を活用するケースも珍しくありません。そこで本記事では、デジタル名刺の概要やメリット・デメリット、実際の作成・交換方法までを徹底解説いたします。
デジタル名刺とは
デジタル名刺とは、従来の「紙媒体」による名刺と異なり、デジタル化・電子データ化された名刺を意味します。「電子名刺」や「オンライン名刺」などと呼ばれる場合もあります。自分の名刺をデジタル化・電子化することで、オンライン上のミーティングや商談の場面でデータを送受信することによって簡単にプロフィール交換できる点が大きな特徴です。近年のDX化の流れの中で、このデジタル名刺が高い注目を集めています。
デジタル名刺が注目される背景
一体、なぜデジタル名刺が注目されるのでしょうか。その背景を探っていきましょう。
リモートワーク・テレワークの浸透
第1に、コロナ禍によってリモートワークやテレワークが浸透したことが背景として挙げられます。働き方が大きく変わったことにより、ビジネスの主戦場がリモートによるオンラインイベントや商談へと移り変わってきています。対面でのイベント・セミナーや商談による名刺交換の機会が減っていることは、実感として理解できるのではないでしょうか。この要因の結果、お互いが遠く離れた場所にいてもオンラインネットワークを介して交換できるデジタル名刺の需要が増しているわけです。
DXの推進やペーパーレス化
第2に、社会全体でデジタル移行の機運が高まっていることも背景として考えられます。昨今は特に、デジタルを駆使して企業活動を改善しようという動きが活発化しています。
同時に、名刺管理に焦点を当てた新たなデジタルテクノロジーも続々と生まれてきています。加えて、環境の保全の観点から契約書、請求書などのさまざまな書類のペーパーレス化も叫ばれています。この例に漏れず、「名刺」も今やペーパーレスになりつつあります。これらの社会的背景からもデジタル名刺の需要が増していることが伺えます。
デジタル名刺のメリット
では、どのようなデジタル名刺を活用するメリットがあるのでしょうか。
主に以下の4点を挙げました。
- 名刺の作成や修正が簡単にできる
- 印刷コストがかからない
- 持参するのを忘れる心配がない
- 対面でなくても名刺交換を行える
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
名刺の作成や修正が簡単にできる
近年、さまざまなデジタル名刺のオンラインサービスが誕生しています。そういったサービスを利用することで、プロフィールを入力するだけで簡単に名刺を作成でき、内容の変更が必要になった際もすぐに修正の対応ができます。さらに、保管スペースや名刺入れを用意する必要もありません。
印刷コストがかからない
紙の名刺であれば、印刷会社に依頼するにしろ自前で行うにしろ、印刷するだけでコストが発生します。
一方でデジタル名刺の場合、印刷コストがかからず、また名刺を切らした際にその都度、追加で印刷するといった作業も必要ありません。
持参するのを忘れる心配がない
例えば、大事な打ち合わせや商談の場面で「名刺を持参するのを忘れた」という経験はありませんか。
スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器にデータとして名刺を保存しておけば、いつでもどこでも使用できるため、うっかりして名刺を置いてくるといった心配もないでしょう。
対面でなくても名刺交換を行える
デジタル名刺は、対面でなくても名刺交換を行えます。特にオンラインでの打ち合わせなどの場面で役に立ちます。
冒頭で述べた通り、オンラインのネットワークを介して情報を送受信するだけで、簡単にプロフィール交換が行えます。また、デジタル名刺であれば対面の場で行うような形式化された交換のマナーも不要になります。
デジタル名刺のデメリット
メリットがある一方で、どのようなデジタル名刺のデメリットがあるのでしょうか。
主に以下の4点を挙げました。
- デジタル名刺のフォーマットがまだ確立されていない
- オンラインネットワークや電源がない場合は使えない
- 個性を出しにくい
- 情緒が感じられない
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
デジタル名刺のフォーマットが確立されていない
デジタル名刺でプロフィール交換する文化は、まだまだ広くは浸透していません。よって、形式や規格が確立されておらず、手探りな状態であると言えます。
例えば、お互いが別々のデジタル名刺のサービスを利用している場合、フォーマットが合わずプロフィール交換ができないというケースも発生する可能性があります。
オンラインネットワークや電源がない場合は使えない
デジタル名刺の場合、電子データを取り扱う特性上、スマートフォンやパソコンといったデジタル機器がどうしても不可欠です。
仮に、外出先でそれら機器の電池が切れた、あるいはデータがクラウド上に保存されている場合、ネットワークが利用できない環境ではデジタル名刺は使えません。
個性を出しにくい
紙の名刺のメリットとして、紙の材質や形、意匠といったさまざまなデザインによって個性を出せることが挙げられます。
一方でデジタル名刺の場合、利用するサービスによってプロフィールのデザインが固定されているケースが多いです。
特にデザインなどをこだわって細かく作成できなければ、無機質なものに仕上がり、人柄や個性を伝えにくくなります。
情緒が感じられない
手紙と同じでデジタル化された名刺は、人によっては情緒を感じないという方もおられるかもしれません。ただし、これは名刺に限らずあらゆるデジタル化された業務に対して同じことが言えるでしょう。
デジタル名刺一辺倒とならずに、TPOによって紙の名刺と使い分けても良いでしょう。
デジタル名刺の作成・交換方法
前述の通り、専用のオンライン名刺サービスを使ってデジタル名刺を作成するケースがほとんどです。
プロフィール情報さえシステム入力すれば、デジタル名刺として完成するので非常に便利で簡単と言えます。
デジタル名刺の交換方法については、プロフィールが記載されたURL(QRコード)を相手側に送るだけで自分の名刺を相手に渡すことができます。
受け取った相手側はURL先を開いて登録するか、あるいは自分の名刺データを送り返すことで交換が成立します。
デジタル名刺の管理・活用方法
前章の作成・交換方法と同様に専用のオンライン名刺サービスを使ってデジタル名刺の管理・活用するのが最も良い方法です。
またツールによっては、SalesforceなどのCRMと連携することで、名刺に記載された顧客情報を顧客データベースと紐付けることができます。
顧客データとして社内で共有をすることで、顧客の詳細情報やニーズを事前にキャッチし、より質の高いサービスの提供へつなげることが可能になります。